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社労士が解説する「育児休業・産前産後休業基礎知識」!!

年々、育児休業を取得する男性も増えてきています。少子化が進む日本において、育児休業・産前産後休業は従業員が安心して子育てと仕事を両立するための重要な制度です。しかし、中小企業の経営者や人事担当者の方から「手続きが複雑でよくわからない」「どこまで会社が対応しなければならないのか」というご相談を多くいただきます。

今回は産前産後休業と育児休業の基本から、給付金・手続き・中小企業が特に注意すべきポイントまで、実務目線でわかりやすく解説します。

目次

1. 産前産後休業とは?

産前休業とは

産前休業とは、出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から取得できる休業です。労働基準法第65条に定められており、本人が請求した場合に会社は就業させてはなりません。あくまで「本人の請求」が前提であるため、働き続けることを希望する従業員に対して強制的に休ませる義務はありません。

産後休業とは

産後休業は、出産翌日から8週間です。産後6週間は、本人が請求しても就業させることができない強制休業期間です。産後6週間を経過した後は、医師が支障ないと認めた業務であれば、本人の請求により就業することが可能です。なお、産後休業は出産日当日も含まれます。

取得できる対象者

産前産後休業は、会社に雇用されているすべての女性従業員が対象です。パートタイムや契約社員であっても適用されます。雇用形態による除外はありません。

2. 育児休業とは?

育児休業の対象者と取得期間

育児休業は、原則として子が1歳に達するまで取得できます。父親・母親ともに取得可能で、一定の要件を満たすパートや有期雇用の従業員も対象です。

保育所に入所できない等の事情がある場合には、最長で子が2歳に達するまで延長することができます。

有期雇用労働者の場合、「子が1歳6ヶ月までの間に契約が満了することが明らかでないこと」が要件となります。

出生時育児休業(産後パパ育休)

2022年10月の法改正により、**出生時育児休業(いわゆる産後パパ育休)**が創設されました。子の出生後8週間以内に、父親が最大4週間取得できる制度で、2回に分割して取得することも可能です。通常の育児休業とは別に取得できるため、父親はこの制度と育児休業を組み合わせることで、より柔軟な育休取得が可能となりました。

育児休業の分割取得 2022年10月の改正以降、育児休業は2回まで分割して取得できるようになりました。これにより、たとえば育休を取得しながら一時的に職場復帰し、再度育休を取得するといった柔軟な対応が可能になっています。

3. 産休・育休中の給付金制度

出産手当金(産休中)

産前産後休業中は、健康保険から出産手当金が支給されます。支給額は、休業1日あたり「標準報酬日額の3分の2」が目安です。支給期間は、産前42日(多胎は98日)+産後56日です。

出産手当金は会社ではなく健康保険組合または協会けんぽから支給されるため、会社が給与を支払う義務はありません(無給の場合)。ただし、有給休暇を使用している期間は出産手当金の支給対象外となる点に注意が必要です。

育児休業給付金(育休中)

育児休業中は、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。支給額は以下のとおりです。

期間給付率
育休開始から180日間休業前賃金の67%
181日目以降休業前賃金の50%

給付金を受け取るためには、育休開始前の2年間に雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上あることが必要です。

社会保険料の免除制度

産前産後休業中・育児休業中は、本人負担分・会社負担分ともに社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除されます。これは会社にとっても大きなメリットであり、従業員への説明の際にもしっかり伝えることが重要です。

4. 会社が行う手続きの流れ

産前産後休業の手続き

産前産後休業について、会社が行う主な手続きは以下のとおりです。

・社会保険料免除の申請:「産前産後休業取得者申出書」を年金事務所に提出

・出産手当金の支援:従業員が申請する際に会社が証明欄を記載

産休自体の届出義務は特にありませんが、社会保険の手続きは忘れずに行う必要があります。

育児休業の手続き

育児休業に関して会社が行う主な手続きは以下のとおりです。

・育児休業申出書の受付・保管

・社会保険料免除の申請:「育児休業等取得者申出書」を年金事務所に提出

・育児休業給付金の申請代行:ハローワークへの給付金申請(会社が代理で申請)

育児休業給付金の申請は原則2ヶ月ごとに行う必要があります。申請漏れや期限超過がないよう、スケジュール管理をしっかり行うことが大切です。

申請期限と注意点

社会保険料の免除申請は、休業終了予定日の翌日から起算して1ヶ月以内に行う必要があります。また、育児休業給付金の申請には支給単位期間の末日翌日から起算して2ヶ月以内という期限があります。手続きが遅れると従業員に不利益が生じる可能性があるため、早めの対応が求められます。

5. 中小企業が押さえておくべきポイント

就業規則の整備

育児・介護休業法に基づく規定は、就業規則に明記しておく必要があります。法改正のたびに内容を見直し、常に最新の状態に保つことが重要です。特に出生時育児休業の規定は、2022年改正で新設されたため、古い規則のままになっている企業は早急に見直しが必要です。

代替要員の確保と業務引き継ぎ

中小企業では、従業員一人ひとりの業務ウエートが大きいため、育休取得者が出ると業務に支障をきたすケースがあります。事前に業務の棚卸しと引き継ぎ計画を作成し、代替要員の確保や業務の再分配を早めに検討することが大切です。

助成金の活用

育児休業の取得促進に取り組む中小企業は、**両立支援等助成金(育児休業等支援コース)**を活用できる場合があります。育休取得者が出た際の代替要員確保に対する助成など、複数のメニューがあります。要件が細かいため、申請前に社労士や助成金窓口に相談することをお勧めします。

6. 社労士の見解

育児休業・産前産後休業の制度は、ここ数年で大きく改正が続いており、中小企業の担当者にとって「追いかけるだけで精一杯」という声も少なくありません。

実務の現場でよく見受けられるのは、「申請のタイミングを誤って給付金が受け取れなかった」「就業規則が古いまま放置されていて法的リスクを抱えていた」というケースです。制度を正しく運用できていないと、従業員の信頼を損なうだけでなく、労使トラブルに発展することもあります。

また、育児休業の取得促進は、今や採用力・定着率にも直結する経営課題です。「育休が取りやすい会社」というイメージは、優秀な人材の確保にもつながります。制度の整備を「コスト」と考えるのではなく、「人材投資」として前向きに取り組んでいただくことが、中小企業が持続的に成長するうえで非常に重要だと考えます。

手続きや就業規則の整備、助成金の活用については、ぜひ専門家である社会保険労務士にご相談ください。

7. まとめ

本記事では、産前産後休業と育児休業の基礎知識について解説しました。要点を整理すると以下のとおりです。

・産前休業は出産予定日6週間前から、産後休業は出産後8週間、女性従業員全員に適用される

・育児休業は原則子が1歳になるまで、父母ともに取得可能。最長2歳まで延長できる

・出生時育児休業(産後パパ育休)により、父親も子の出生後8週間以内に最大4週間取得可能

・産休中は出産手当金、育休中は育児休業給付金が支給され、休業期間中は社会保険料が免除される

・会社側は社会保険の申請、給付金の申請代行、就業規則の整備などの対応が必要

・中小企業は助成金を積極的に活用し、計画的な体制整備を進めることが重要

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