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法定三帳簿とは?社労士がわかりやすく解説【作成義務・保存期間も解説】

千葉市美浜区で社会保険労務士事務所を運営しております八重樫です。今回は「法定三帳簿」について解説します。

事業を行う上で、会社には作成・保存が義務付けられている重要な書類があります。
特に、従業員を雇用している場合は、労働基準法に基づき「法定三帳簿」の整備が必要です。

この記事では、法定三帳簿の内容と実務上のポイントを分かりやすく解説します。

目次

■法定三帳簿とは

法定三帳簿とは、労働基準法により作成・保存が義務付けられている以下の3つの帳簿を指します。

・労働者名簿

・賃金台帳

・出勤簿

これらは労務管理の「三種の神器」とも言われ、未整備の場合は是正勧告や罰則(30万円以下の罰金)の対象となる可能性があります。また、近年はこれらに加え「年次有給休暇管理簿」の整備もセットで必須となっています。

① 労働者名簿(労基法第107条)

労働者名簿は、従業員の基本情報を管理する帳簿です。

記載事項

・氏名

・性別

・生年月日

・住所

・雇入れ年月日

・従事する業務の種類

・退職または死亡年月日(退職理由を含む)

・履歴

👉ポイント
「誰を雇っているのか」を証明する基本資料です。
トラブル時にも重要な証拠となります。

② 賃金台帳(労基法第108条)

賃金台帳は、従業員に支払った給与の記録です。

記載事項

・氏名

・性別

・賃金計算期間

・労働日数

・労働時間数

・残業時間

・深夜労働時間

・休日労働時間

・基本賃金・各種手当・賞与

・控除額

👉 ポイント
「管理監督者」であっても深夜労働時間の記載は必須です。また、源泉徴収簿と兼ねる場合は、税法の規定により保存期間が長くなる(7年)点に注意しましょう。

③ 出勤簿(労基法第109条)

出勤簿は、労働時間を客観的に把握・管理するための帳簿です。

記載事項

・出勤日・労働日数

・始業・終業時刻

・休憩時間

・時間外・休日・深夜労働の記録

👉 ポイント
現在は「客観的な記録(タイムカード、ICカード、PCログ等)」が原則です。自己申告制の場合は、実態と乖離がないか定期的な確認が欠かせません。

■保存期間について

法定三帳簿の保存期間は以下の通りです。

・原則:5年間

    労働者名簿:従業員の退職・解雇・死亡の日から

    賃金台帳:最後に記入した日(または賃金支払期日)から

    出勤簿:最後に記入した日(または賃金支払期日)から

・経過措置:当面は3年間

👉 ポイント 未払賃金請求権の時効も現在は3年となっています。将来的に経過措置が終了すれば完全に5年保存へと移行するため、今のうちから「5年保存」を前提とした体制(デジタル管理等)を整えておくのが安全です。

■【社労士の私見】実務でよくある落とし穴

実務の現場では、以下のようなケースが非常に多いです。

・出勤簿はあるが「始業・終業時刻」が曖昧

・賃金台帳と実際の給与計算が一致していない

・労働者名簿が更新されていない

特に問題になるのは、「形式だけ整っているが中身が不正確」なケースです。

労働基準監督署の調査では、
👉「記載内容の正確性」までしっかり確認されます。

そのため、単に帳簿を作るだけでなく、
日々の運用として正しく記録・更新することが重要です。

■まとめ

法定三帳簿は、すべての事業者にとって必須の労務管理書類であり、単に紙を揃えれば良いというものではありません。

・出勤簿の時刻と賃金台帳の残業時間が一致しているか?

・名簿の履歴が最新になっているか?

・休憩時間が実態通りに記録されているか?

労働基準監督署の調査では、こうした「内容の正確性」が厳しくチェックされます。副業や柔軟な働き方が広がる中で、正確な帳簿管理は会社を守るための最大の防衛策となります。

 日頃より、きちんと管理ができていることが重要です。

  不備がある場合は是正指導や罰則のリスクもあるため、早めの見直しをおすすめします。

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